最近は業務委託と言う契約形態で美容師をする方が多くなっています。
そこで業務委託美容師をしようかなと思っている方に業務委託のメリットやデメリットを解説していきます。
僕の美容師の友達も多くが業務委託のお店で働いているよ!
業務委託美容師とは?
業務委託美容師は、美容室経営者(事業主)と、美容師(個人事業主)が交わす業務契約です。
雇用契約で事業主に雇われた場合の美容師(正社員)は多くのお店で社員として給料制となりますが、業務委託の美容師は個人事業主となり、歩合制で収入を得ることになります。
業務委託美容師のメリット
報酬や勤務時間を調節できる
事業主に雇われた場合の雇用契約と違って、事業主同士の契約になるので報酬や勤務時間をお店と交渉することが出来ます。
業務委託の報酬は、労働時間などでの固定給ではないので、報酬体系を完全歩合制にすることで報酬金額を大きくすることが出来ます。
労働時間も自分とお店との交渉で調整できるので、決まった出勤日や労働時間の契約がありません。
収入と自分の自由な時間のバランスを取れることは大きなメリットだよ!
収入を増やすことが出来る
雇用契約ではないので社会保険料などの報酬が少なくなる原因がないことや、正社員で働く場合よりも歩合率や報酬の還元率が高くなる場合があります。
業務委託美容師が多く働くお店は集客に多くのお金をかけて行っている場合が多いので、1日のお客様の数が多く担当できるので自分自身の売上を増やすことが出来ます。
お店との契約内容にもよりますが、売上の40~50%が報酬になることが多いです。
業務委託のお店は大きな会社が運営していることが多いので、多くのお客様を集客出来る仕組みを作ってくれているよ!
経費を使うことが出来る
業務委託美容師は個人事業主になるので、営業に必要なハサミなどの道具類や講習などの勉強代を経費として扱うことが出来ます。
その他、青色申告特別控除などの控除も使うことが出来るので節税をすることも出来ます。
今まで給料から払っていたハサミ、勉強代などが経費として使うことが出来るよ!
経費を使うことで課税所得が減らせるよ!詳しくは美容室経営で払う税金で説明しているよ!
お客様に対して1対1で仕事が出来る
業務委託のお店はアシスタントがいない場合が多いため、1人のお客様を終わりまで1人で接客をすることが多いです。
かけもちでの接客が少なくなるので、お客様の満足度が向上しやすかったり、美容師側のお待たせしている時のストレスがなくなります。
全ての施術を自分が担当するので、技術にこだわりのある方は一人のお客様にこだわって仕事をすることが出来るよ!
業務委託のデメリット
労働基準法が適用されない
労働基準法は、雇用者と雇用契約を結んだ労働者が、労働者側が不利になる様な条件で働かなければならなくなる状況を防ぐための法律です。
正社員だけではなく、派遣社員、契約社員、パート、アルバイトなど全ての労働者に適用されます。
業務委託契約の場合は、事業主と事業主の契約関係になりますので、労働基準法や労働契約法による労働者のための保護は受けることができません。これにより、報酬額の問題があった場合や契約を解消されるといった問題から保護されにくい場合があります。
事前に業務委託契約書を作ることでトラブルを防ぎやすくなるよ!
税金が自己負担になる
事業主は業務委託の美容師を雇用保険や社会保険に加入させる義務がないので、業務委託契約で働く美容師は、社会保険が適用されなくなります。
社会保険は病気、ケガ、老後資金、失業などに備えるための公的保険制度で健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険などの種類があります。
業務委託の美容師は国民健康保険や国民年金などの税金が全額自己負担となり、加入手続きを自分でする必要があります。
社会保険の方が補償内容が手厚いので、万が一の場合には安心感があるよ!
業務委託美容師は不測の事態のために自分自身で対策をしておかなければなりません!
収入が安定しない
業務委託美容師の報酬は固定給でないので、季節による変動やウイルスの流行などによって、収入が安定しにくい場合があります。
完全歩合制の場合は施術を行わなければ報酬を作ることが出来ないので、万が一、病気やケガなどでの長期間営業できない場合は収入に大きく影響します。
その他、お店の集客人数が少ない場合や自分自身の施術の回転率を上げれない場合も収入が少なくなります。
お店側の集客が上手くいかない場合に最低保証などがあるのか?は業務委託誓約書などで確認しておこう!
独立が難しくなる
将来、独立を考えている美容師には独立するのが難しくなる可能性もあります。
業務委託での契約のお店は多くのお客様を集客をするためのに低価格帯のお店が多いです。
低価格で集客するため、固定客が増えずらく自身が独立を考えた場合に低価格以外での価格設定を考えた場合にお客様が付いて来てくれる可能性は低くなります。
その他、集客を完全にお店に頼ることになりますので、独立した時の自店での集客方法が分かりにくくなります。
実際に僕の友達も独立した時にお客様が付いて来てくれるか?と言うことが問題になり独立が難しくなっているよ!業務委託のお店のような料金体系を個人のお店ですることは経営が大変になるよ!
勉強する機会が少ない
業務委託のお店は、美容師の働く時間がバラバラになるので、お店全体での研修や勉強会が少なくなるので、自分で勉強しなくてはなりません。
薬剤などもお店の方針で決まるため、美容業界の新しい薬剤がでた場合でもお店のコスト面で採用されない場合もあります。
インボイス制度の導入により税額控除が認められなくなる
業務委託の美容師の報酬は消費税込みで支払われていて、1年間の報酬額が1000万円以下であれば、免税事業者となり納税の義務は免除されています。
ですが今後、2023年10月1日から導入される予定のインボイス制度により、この税額控除が認められなくなります。
消費税を納税している業務委託美容師(課税事業者)であれば導入後も税額控除が適用されますが、免税事業者は税額控除が認められなくなります。
このことで、業務委託美容師側は歩合の還元率が下がる場合などのデメリットがでてくる場合があります。
「美容師が知っておきたいインボイス制度」の記事にも詳しく書いています!
まとめ
業務委託と言う新しい美容師の働き方が増えていますが、メリットやデメリットがありますので、将来の自分がどうなりたいのかで考えていく必要があります。
収入面は良くなる場合が多いと思いますが、次々とお客様を担当することで体力的には大変になりますので体調面には注意が必要です。
正社員として働くことと業務委託美容師として働くのか?どちらが自分の将来の目標に合うかを考えてみましょう。
体調を崩した場合の収入の補償などもないので、健康管理、ケガに気をつけることは大事だよ!